その部屋の時は止まっていた。
開け放した窓の向こうでは人々の笑い声や鳥のさえずりなど時間の流れを感じるのに、そこだけは世界から隔絶されたかのように、静けさに満ちていた。
部屋に入るたび、静寂に包まれるたび、サニャは胸が締め付けられたかのような感覚を覚える。
切なさに押しつぶされぬようにゆっくりと足を進め、目的の人物が眠るベッドの傍らに立つ。
真っ白なシーツにくるまれた主はこの三日間眠りについたままだ。珍しいことではない。この主はもう数年前から起きているよりも寝ていることの方が多くなっていた。
「……レハト様」
名を呼ぶが、当然ながら応答はない。
瞼を閉じた彼の顔はひどく蒼白しており、医師からは年明けまで持つかわからないと診断されていた。
そっと彼の口元に耳を寄せる。微かに聞こえる呼吸音。それにほっと息を吐いた。
彼は生きている。まだ、生きているのだ。
自分を安心させるように、心の中で呟く。
口さがないものたちは彼を死人と嘲笑った。生きながら死んでいる、ただのぬけがらだと。嫉妬に狂って愛人を殺した故に、呪われてしまったのだと。
そんな侮辱の言葉に最初こそ怒りはしたが、今では反応することさえも煩わしくなっていた。
誰が何と言おうと、彼は生きている。今はただ眠っているだけ。調子が悪いだけ。
「きっと良くなられる……だから、大丈夫」
呟いた言葉は主に向けたものか、それとも己に向けたものかわからなかった。
***
「あれ、サニャちゃん。久しぶり」
洗濯物を抱えて部屋へと戻っている途中、懐かしい人物が声をかけてきた。
「いや~、数年ぶりだと随分様変わりしているね。知らない顔の多いこと多いこと。サニャちゃんのかわいい顔が見れて嬉しいよ」
上機嫌の彼は五年前までよく市で商売をしていた商人で、サニャも市に行った時にはよく話をしたものだ。継承の儀が行われる数か月前ほどから突然姿を見せなくなり、以降会うことはなかったが。
「お久しぶりです、トッズさん」
サニャの心中は複雑だった。知人に再会できたのは嬉しいが、彼はレハトを知っている。王になれなかったレハトの存在は民には伏せられ、王城内部の人間しか知り得ない。
だから、彼はきっとレハトのことを聞くだろう。
「この城って使用人の入れ替わり激しいけど、サニャちゃんはここにいてくれて良かったよ。ますます綺麗になったね。男どもは放っておかないんじゃない? あ、もしかしてもう結婚した?」
「いいえ。家族からは早く結婚して孫を見せろってせっつかれてますけど……私は今の仕事が好きなので」
サニャは今年二十三歳。もう結婚していてもおかしくない年齢どころか、行き遅れの域に入っていた。
「えー、もったいない。こんなべっぴんさんが仕事に生きるだなんて! よかったら俺と付き合わない?」
相変わらずの軽口だ。彼は五年前と変わっていない。
「あ」
ふと何かに気がついたかのように、トッズが声をあげた。サニャを見る目に微かに気遣う様な色が宿る。
「サニャちゃん、もしかして、今もレハトのこと好きなんじゃない?」
「え……」
レハトの話題も出るとは思っていたが、まさかこんな風に振られるとは。予想もしない質問に、二の句が継げなかった。
「前にサニャちゃんとレハトを見かけたことがあるんだけどさ、その時のサニャちゃん、恋する女の子って感じだったからさ。レハトのこと好きなんだろうなーと思って」
俺、そういうの鋭いからね、と得意そうに胸を張る男の顔から目を逸らす。
図星だった。とうの昔から彼に対する想いは主従の一線を越えていた。
こうして今もレハトに仕えているのも、結婚しないのも、恋情ゆえだ。
「……レハト様は好きですが、そういう目では見ていません」
否定すると彼はそれ以上追及はしなかった。表情からして納得はしていないようだったが、語気を強めたサニャに、触れてはいけない話題だと思ったのかもしれない。
「俺もまたしばらくはここで商売するから、よかったら遊びに来てよ。いろいろ面白いものそろえたから」
笑顔で手を振って、彼は去っていった。
小さくなっていく後姿をぼんやり見ながら、そういえばレハトの近況は聞かれなかったなと思う。
レハトと仲良くしゃべってはいたが、それほど関心はなかったのだろうか。それとも彼にとって今ここにいない人間には興味がないのだろうか。商売人である彼には顧客の一人にすぎないのかもしれない。
年を経るにつれ、元気だった頃のレハトを知る人間はどんどん少なくなっている。貴族などは知っているが、彼らはレハトに好感を抱いていない。
レハトはここにいなくてもいい存在だと言われたような気がして、悲しくなった。
***
「ああ、サニャ。おはよう」
穏やかな声に、落ち込んでいた気分が一気に吹き飛んだ。
「レハト様、目が覚めたのでございますね!」
抱えていた洗濯物を棚の上に置き、駆け寄る。
嬉しかった。夢の世界にいたレハトが久しぶりに戻ってきてくれた。幸せな気持ちで満たされた。
「何か食べたいものはございますか? お飲物は? 今日は市の日ですので、何か欲しいものなどはございませんか?」
矢継ぎ早に質問するサニャを手で制して、レハトはくすくすと笑う。
「待って待って。そんなに一気に聞かれても答えられないよ」
顔こそはやつれていたが、表情は穏やかだ。比較的体調がいいのだろう。
「そうだね……お腹はすいていないけど、のどは乾いたな。サニャの淹れてくれたお茶が飲みたいよ」
「はい! すぐに淹れますです!!」
お茶の用意を済ませて戻ると、レハトがテーブルについてぼんやりと外を眺めていた。
「レハト様、お体は大丈夫ですか?」
レハトの侍従はサニャ一人だけ。彼は一人で移動したのだろうか。
「ああ。平気だよ。これくらいなら全然大丈夫」
証明するように彼はひらひらと手を振った。
いつものように、レハトの向かいに座り、共に茶を楽しむ。部屋付きがサニャ一人だけになった頃から始まった習慣。
最初は戸惑ったが、今はこうして彼とお茶をするのが至福の時間だった。
ずっとこの穏やかな時が続けばいいのにとサニャは願わずにはいられない。
「そういえばね、さっきユリリエと広間でダンスしていたんだ」
「え……」
彼の声は朗らかだった。嬉しそうに微かに頬を染め、彼女と過ごした甘やかな時間に想いを馳せる。
「僕は相変わらず下手なんだけど、ユリリエが上手くリードしてくれてね。タナッセのやつも珍しく褒めてくれたんだ」
彼は饒舌に語る。
嬉々とした色を浮かべる瞳から目を逸らし、サニャは唇を噛み締めた。
ユリリエもタナッセも、もうこの城にはいない。ユリリエは五年前に彼自身がその手で殺し、タナッセは継承の儀の前に行方不明になってしまった。
レハトはその事実を知っていたはずだ。少なくとも、前回起きていた頃は。
今回眠っていた時に彼になんらかの異変があったのだろうか。
もしかしたら。
嫌な予感がサニャの脳裏に過る。
症状の悪化を示しているのかもしれない。このまま彼は現実を認識できなくなってしまうのではないか。そんな不安で胸が締め付けられる。
「……あれ、サニャ? お腹いっぱいなの?」
心配そうにこちらの顔を覗き込むレハトに、慌てて大丈夫ですと笑顔で取り繕う。
彼は不思議そうに首を傾げたが、追求はしなかった。
***
昼間は多くの人で賑わっている市も、閉店間際になると人もまばらになっていた。
片付けをしている商人たちを横目で見ながら、まだ間に合うだろうかとぼんやりと思う。
一通り歩いてみたが、彼の姿はなかった。もう帰ってしまったのだろう。
諦めて部屋へ戻ろうとしたサニャの肩が背後から叩かれた。
「よっ、サニャちゃん。 ってありゃ。そんな暗い顔してどしたの?」
振り返ると目的の人物がにこにこと笑顔を浮かべていた。
「あ……いえ。丁度時間ができたから市を見に行こうかなと思ったんですが、遅すぎたみたいです。次回からはもうちょっと早めに来なくっちゃ」
「何か買いたかったの? まだ時間があるから、見ていく?」
彼は自分の荷車を指差した。もう布もかけており、帰る直前だったようだ。
「いえ、悪いのでまた今度で大丈夫です」
「まあまあ、そう言わないでよ。今日あんまり売れなかったから、お客様を逃したくないんだよね」
俺のためだと思って。そういって彼はおどけたように笑った。
彼の扱う商品は他の店とは違い、ある種のマニア向けである。何を模ったものなのか見ただけではわからない置物や、願い事がかなうと言う胡散臭い指輪、到底価値など感じ得ない錆びたコイン。それらを一つ一つ手に取るとトッズが得意げに説明をしてくれた。
「――おっ、それに目をつけるとは、さすがサニャちゃん」
木彫りの人形に手を伸ばすと、嬉しそうにトッズが声をあげた。
そんなに良いものなのだろうかと、人形に目を落とす。
杉の木で彫られたと思われるそれは年代故か酷く黒ずんでおり、目にはぽっかりと黒い穴が開いている。鮮やかな石か何かを埋め込まれていたのかもしれない。けれど、今みた限りではただのぼろ人形にしか思えない。
「それはね、雨乞い人形なんだ。これ、いわくつきの木から作られていてね。なんでもその木は元々ご神木だったんだけど、日照りによって枯れてしまって。今まで人々の願いを叶えてきたご神木だったんだけど雨を呼び寄せることだけはできなくて。悲しみにくれた村人がご神木から人形を作ったんだけど、何故かそれを窓辺に置くと雨が降るんだ。生前に雨を降らせることができなかったのがよほど悔しかったんだろうね」
「……そうなんですか」
嘘くさい、とははっきりと言えず、曖昧に笑う。
「あ、それとね。その人形、昔レハトも持ってたんだ。なんだかんだであの侍従のじいさんに捨てられちゃったみたいだけど」
「レハト様が?」
記憶を探る。彼はトッズの店で様々なものを買っていたから、もしかしたら持っていたのかもしれない。見た目が怖いから、サニャが見る前にローニカが捨ててしまった可能性もある。
「……これ、買います」
「毎度あり。あ、でもお金はいいよ。ただであげる」
「でも……」
「今日引き取り手がいなかったら処分する予定だったから。気にしないで。それより、レハトによろしくね」
それだけ言うと、彼はぱぱっと広げていた荷物を片付け去っていった。
黒々とした眼窩がこちらをじっと見つめている。
サニャは黙って見つめ返していたが、やがてため息をついた。
レハトが持っていたと聞いたから思わず買ってしまったが、こんなに古ぼけた人形を贈るのはさすがに戸惑われた。もしレハトがこの人形のことを覚えていなければ、嫌がらせととられてしまう。
だからといって、自分がこの人形を持っていても意味がない。
「サニャ、何見てるの?」
一人で悩んでいると、レハトの明るい声が聞こえた。
考えごとに耽っていたせいか、控え室のドアを開く音に気がつかなかった。
「えっと……その」
「? ……あれ、その人形……」
つかつかと近寄ってきたレハトはサニャの手元を覗き込む。
「これ……雨乞い人形? えっ、どこにあったの? ずっと探してたんだ!」
ぱあとレハトの顔が輝いた。
本当のことを言おうか迷ったが、彼の笑顔を見ていると真実を告げることは躊躇われた。
「控え室の整理をしてました時に……棚の後ろに落ちていました」
「そっか。僕、ここに持ってきちゃってたのかな。見つけてくれてありがとう、サニャ」
手渡すと彼は無邪気に笑った。
未分化の頃を想起させる笑顔に、買ってよかったとサニャも嬉しくなる。
「これね、窓際に置くと次の日雨が降るんだよ」
「雨でございますか」
「嘘くさいでしょ? でも、本当なんだよ。武力の訓練が嫌な時なんかこれを使って……あっ、今の話は内緒ね! 誰にも言わないでね!」
「ふふ。もちろんでございます」
それからサニャはよく市に出るようになった。
レハトが元気だった頃によく買っていたお菓子、彼の好きな宝石をあしらった護身用の短剣、彼が綺麗だとほめてくれた花。そういったものを買ってはレハトにプレゼントしていた。
レハトはどれも喜んで受け取った。おいしそうにお菓子を頬張り、短剣は常に身につけ、飾られた花に何度も目を落として幸せそうに微笑んだ。
そうしたことが良い影響を及ぼしたのか、レハトが長い眠りに就くことはなくなった。体力は完全には戻ってはいないが、部屋の中を歩き回るくらいは問題がないくらいまで回復した。
***
「……サニャは、ずっとここにいてくれているよね」
いつものようにテラスでお茶をしている時、レハトがぽつりとそう呟いた。
顔を上げると、目が合ったレハトは少し悲しそうに微笑む。
「もうあれから五年経って……ローニカも他の侍従たちもどんどん離れていったのに、サニャだけはここにいてくれている」
それがとても嬉しいんだ、とレハトは言った。
「でも……時々不安になる時があるんだ。サニャは僕のために無理してここにいてくれている
んじゃないかって。本当は村に帰りたいのに、僕が一人だから傍にいてくれているって」
「そんなことありません!」
思わず大きな声を張り上げていた。
レハトは目を丸くしてサニャを見つめている。
らしくない行動に羞恥がこみ上げ、頬が火照るのを感じた。
「……違うんです。無理してとか、そんなんじゃ、ありません。私が望んでレハト様の傍にいるんです。レハト様の傍にいたいから」
村が恋しくないと言えば嘘になる。家族にも会いたいし、そろそろ結婚もしなければと焦る時もある。
けれど、その願いを叶えることはレハトとの別離を意味する。
彼の傍に居られなくなることを想像すると心の臓を掴まれたような苦しさを感じる。彼と離れるなどできるはずがない。
彼が自分を不要だと言うその時まで、彼に仕え続けるつもりだ。
「……そっか。嬉しいな。僕は……いい友達を持ったよ」
自分に言い聞かせるように、レハトはしみじみと頷いた。
***
レハトの体調は少しずつ良くなっていた。
このままユリリエのことをきちんと受け止めて、現実で生きてくれたら。
そう願いを込めて、サニャは彼にケープを編んだ。
以前、彼に手作りのケープを渡した時、喜んでくれた。あの時のケープは未分化の頃のものだったので、今はもう着ることができない。
新しいケープは一月ほどで完成した。レハトは笑顔で受け取ってくれて、夜眠る時も身につけていた。
――それが、悪かったのだろうか。
レハトはその日から再び眠り始めた。
「……今までで一番危ない状況です。今夜が山でしょう。覚悟はしておいてください」
医師は静かにそう告げた。対処法はないのかと縋っても、黙って首を振るだけだった。
サニャは絶望を感じながら、レハトの寝顔を見つめていた。
彼の顔は闇の中でもわかるほど白い。
「……レハト様」
耳が痛くなるほどの静寂に、サニャの声が響く。
応えない彼の手を握る。低いけれど、確かにそこには体温があった。
彼は生きている。生きているのだ。
「何故ですか」
ぎゅっと彼の手を強く握りしめ、亡き恋敵に言葉を紡ぐ。
「何故、連れて行こうとなさるのですか。愛する人をここまで追い詰めて連れて行こうとなさるのですか。レハト様は生きておられます。まだ、彼は生きねばなりません」
涙で声が震えた。
「お願いです。レハト様を愛しておられるのならば、どうか彼を連れて行かないで。お願いします、ユリリエ様」
誰かに呼ばれた気がして目を覚ました。
身体を起こすと、閉じていたはずの窓が開いており、そこから柔らかな月光が差し込んでいた。
「お久しぶりね」
気品のある口調。久方ぶりに聞いたその声に、サニャは弾かれたように声のする方を見た。
思った通り、彼女がいた。レハトが横たわるベッドを挟んだ向かいに立っている。
何か言わねばと思うが、頭が混乱して言葉が出てこない。
「ねえ、貴女にとって、愛とはどんなもの?」
呆然としているサニャに悠然とした笑顔を浮かべながら、彼女は問う。
戸惑ったが、彼女はサニャが答えるまで口を挟まないつもりらしい。じっとこちらを見つめたまま、動かない。
「……愛、とはその人の幸せを願うものだと思います。たとえ傍にいられなくとも、その人が生きて笑っていてくれればそれでいいっていう、そういう気持ちです」
握りしめたレハトの手を感じながら、まっすぐに彼女を見据える。
「そう。貴女はそれが愛だと思うのね」
サニャの答えに満足したように優雅に笑みを返すと、彼女は続けて問うた。
「では、レハト様にとっての愛とは、どんなものかしら?」
「レハト様にとっての……?」
虚を突かれた。
レハトにとっての愛とはなんだろうか。自分と同じではなかろうかと考えて、けれどそれは違うとすぐにわかった。
彼がサニャと同じ意見ならば、こんな事態にはならなかった。
黙ってしまったサニャからレハトへと目を移した彼女は、彼の頬を愛おしげに撫でる。
「レハト様にとっての愛とはね――死よ。私を愛するが故に私に死を与え、そしてまた私を愛するが故に己にも死を与える」
レハトと同じくらい白い指が、レハトの唇を辿る。
「レハト様はこうして己を死に追い詰めて、私に愛を捧げてくださる」
「…………」
「貴女はレハト様を愛しているのね。その想いもまぎれもない愛でしょう。けれど、愛の形は人によって異なるわ。ある人の愛の表現が愛しい人には伝わらないこともある。……レハト様は貴女の恋心に気がつかなかった」
さあ、と窓から風が入り込む。
「貴女の心に気づいていたら、レハト様は貴女に振り向いていたでしょうね」
ふっと彼女の瞳に影が差す。だがそれもつかの間のことで、すぐに彼女はいつものように美しい笑みを湛えた。
「でも、気づかなかった。だから、この勝負、私の勝ちですわ」
彼女は物言わぬレハトに口づけた。
握っていた手から急速に体温が失われていく。
「レハト様っ!」
叫んだ声は虚しく宙に消えた。
朝告げ鳥の声が聞こえる。
起き上がろうとして、違和を覚えた。
握っているレハトの手が固い。まるで、人形のように。
慌てて彼の頬に手を当てる。ひやりと氷のような冷たさに、小さく息を呑んだ。
「レハト様……」
彼はもう息をしていなかった。
遺体の状態からして、おそらく夜のうちにこと切れたのだろう。
サニャが彼の手を握り眠りに就いている間に。あの夢をみている時に。
「……連れて、いかれたのですね」
虚無感が胸を満たしていた。
彼が好きだった。愛していた。
報われようなどとは思っていなかった。
ただ、彼が生きて幸せに笑っていてくれれば、それだけでよかったのだ。
なのに。
絶望に打ちひしがれたサニャの目が、彼の枕元に置かれた短剣を捕えた。
『レハト様にとっての愛とはね――死よ』
彼女の軽やかな声が、呪詛の様に耳にこびりついていた。
かもかて、ダンマカの二次創作サイト。
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